アムウェイ業務停止命令の理由・原因|違法勧誘の手口の蔓延とコロナ渦の背景

2022年10月にアムウェイが業務停止命令を下されました。国内最大のマルチ商法組織である、日本アムウェイ合同会社が、消費者庁から行政処分を受けたのは「遂にか!」「まさか…」「ざまあみろ」などいろいろな声が飛び交うニュースとなりました。なぜ、アムウェイが業務停止命令を下されたのか、理由・原因についてまとめていきます。

アムウェイとは

そもそもアムウェイとは、と言う話は割愛したいですが、簡単に説明します。

アムウェイは、会員が勧誘して会員を増やすと報酬がもらえる、連鎖販売取引・MLM(マルチレベルマーケティング)がメインの事業であるアメリカに本社がある会社です。

歴史は深く、1959年から存在しています。

世界では100カ国以上で関連会社を通してビジネスが行われており、たくさんの国でネズミ講の調査を受けてきており、訴訟自体はたくさんされてきていますが、訴訟を解決するために多くのお金をかけてきました。

連鎖取引販売・MLMとは

連鎖取引販売は英語でマルチレベルマーケティングと呼ばれ、日本では「MLM」と略して読まれています。特定商法取引法第33条で定義されている販売方法のことで、「マルチ商法」と言う呼び名もあります。

ネズミ講といっしょくたにされることが多いですが、正確には取り締まる法律が違うので、別物ではあります。ネズミ講は無限連鎖講という、別の法律で禁止されています。

特定商法取引法では、

  • 物品の販売(または役務の提供等)の事業であって
  • 再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
  • 特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し
  • 特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの

の全てに該当するものが、連鎖販売取引とされています。

MLMのルールは多種多様ですが、購入者が新たな購入者を見つけることで、手数料を得るというのがわかりやすいイメージです。

アムウェイが業務停止命令を下された理由

アムウェイを含めた「マルチ商法」「MLM」「連鎖取引販売」と呼ばれる形態が許されているのは、厳しくルールが定められているのですが、そのルールを今回破っていると判断されたために、業務停止命令が下されました。

連鎖販売取引は「社名や目的を告げずに勧誘する」のが禁止されているのですが、多くのアムウェイ会員が違反を行なったようです。

マッチングアプリを使って目的を告げずに、知り合った女性を勧誘する
アムウェイのセミナーとは言わずにセミナーへ勧誘する

など、目的は違うことを告げているのに、箱を開けてみたらアムウェイだったというような勧誘方法を続けている人が多くいるようで、逮捕されているものもいます。

消費者庁によると、全国の消費生活センターにはアムウェイ関係の苦情が

  • 19年度が317件
  • 20年度が257件
  • 21年度が270件
  • 22年度も9月15日時点で109件
  • 男性が約4割、女性が約6割

ほどあるようです。

新型コロナが出てから、マルチ商法の方法も少し変わり、直接会ったり、大規模なパーティをしたりというよりかは、マッチングアプリや個人的な女子会などを装った勧誘など好き勝手やっていたようなので、苦情が多く、消費者庁が動いたと思えば「まあ、確かに。」とも思えますね。

また、違反者が多いために、遂に業務停止命令を下された、というのも納得できますが、背景には新型コロナの影響もあるようです。

アムウェイが嘘をついて空気清浄機を販売

またアムウェイは空気清浄機の販売もしていて、「これを置いておけばコロナの家庭内感染はない」というような文言をいい、販促もしていたそうです。

新型コロナが出てから、消費者庁はコロナウイルスを除去できます的な文言をうたっている空気清浄機などの類のものを取り締まってきました。

有名なものには「クレベリン」などがあり、2020年度には、33件の措置命令があったと言います。そのうち21件が「消毒、除菌等の効果等についての不当表示に対するもの」です。

アムウェイの空気清浄機もコロナに効くと勧誘する際にうたっていたと証言があるため、吊るし上げられた可能性はあります。

アムウェイの「アトモスフィア」の噂

アムウェイのアトモスフィアは、アムウェイビジネスオーナー向けページに2021年2月10日に新型コロナウイルスに関するお知らせとして、情報提供をしています。それが以下のようなもの。

『アトモスフィア、アトモスフィア スカイ、アトモスフィア ドライブ、アトモスフィア ミニ空気清浄機それ自体は、新型コロナウイルス(COVID-19)、MERS、SARS、H1N1などのウイルスに対する適切な予防手段ではありません。アムウェイの空気清浄機は新型コロナウイルス(COVID-19)、MERS、SARS、H1N1などのA型インフルエンザウイルスなどを効果的に除去または低減しますが、それは本体を通過する空気にのみ効果を及ぼします』

さらにこの文章の後には、

『ABOの皆さまにおかれましては、企業の社会的責任の観点から、アムウェイ製品やアムウェイビジネスをCOVID-19と直接関連付けることはお控えいただくようお願い申し上げます』

とあります。

空気清浄機は、確かにコロナウイルスなどを除去や低減するけれど、直接的には結び付けないでください。という言い方だそう。

取り締まられたり、逮捕されたくないために、文言には気をつけていたでしょうが、「実はね・・・」と言う形で、「この商品はすごいの!」とうたってしまった人はいてしまうのではないでしょうか。その可能性は否めませんね。

事実コロナ渦によって、空気清浄機の売れ行きは上がっているみたいですが、アムウェイだけに限らず、コロナに繋げて販売をしていた企業は多いはずです。消費者庁としては、槍玉として、「アムウェイを犠牲」にして、世間に注意をしたのでは?と言う考え方もあるようです。

まとめ

2022年10月13日に受けたアムウェイの消費者庁による行政処分によって、業務停止命令を受けた理由や原因についてでした。

世間では、苦情やコロナ渦とは関係なく、政治と絡めてアムウェイが摘発されたと言う声もあるようです。どれが正解かはわかりませんが、シンプルに世間体的な正解でいえば、「好き勝手やりすぎたね!」と言うことなのでしょう。

消費者庁で働く人も人間なので、全てのマルチ商法が摘発されることはなさそうですが、アムウェイにお灸をすえることで、けん制したように感じます。

参考

アムウェイに業務停止命令!なぜ法規制が厳しいのにトラブルが絶えないのか
https://news.yahoo.co.jp/articles/058a342c8f9bdb54c7f7059ad8330679b80f1c33

<6カ月の取引停止処分>アムウェイ被害者の告白「50万円を浪費して目が覚めた」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e3a5a9b2bd1e5a73e2805aeff38d10c917ebf6b7?page=1

6カ月取引停止処分で注目の「日本アムウェイ」 消費者庁が問題視した勧誘の実態とは?
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2210/18/news172_4.html

「マルチ商法の優等生」アムウェイは、なぜこのタイミングで“お灸”を据えられたのか
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2210/18/news060.html

アムウェイの行政処分は「見せしめ」か? 今「マルチ商法」が狙われているワケ
https://news.yahoo.co.jp/articles/820da8ff55fb73dc6f65fe909b5e65a4ddc6385d

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